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ランニング・ジョギングの基礎知識 マフェトン理論
マフェトン理論とは、アメリカのカイロプラクターであるフィリップ・マフェトン博士が確立したもので、マラソンやトライアスロンなどの有酸素系の運動を対象とした理論です。
「競技成績の向上と健康を両立させることは無理なのか」「怪我や病気を損なわずに、選手生命を長くするトレーニング方法はないのか」というマフェトン博士の疑問から生まれたそうです。
そして多くのスポーツ選手に臨床実験を行い、データー集め「心拍数」を指標とすることによって、健康と競技成績の向上の両立を可能にしました。
それが「マフェトン理論」です。
マフェトン理論の概要
運動には、脂肪をエネルギー源とする有酸素運動(エアロビックトレーニング)と、糖質をエネルギー源とする無酸素運動(アネロビックトレーニング)があり、身体の筋肉は、エアロビック筋と呼ばれる「遅筋繊維」とアネロビック筋と呼ばれる「速筋繊維」の2種類の筋肉の繊維で構成されています。
マフェトン博士は、体内には糖質よりも脂肪のほうが多く蓄えられていることに目をつけ、脂肪をエネルギー源とした有酸素運動を取り入れることで、持久力がつくと考えたようです。
比較的心拍数の低い有酸素運動を続けることにより、循環器や関節や骨格、筋肉など身体全体が健康な状態になっていきます。
そして、それらを継続しながら食事の管理もすることにより、糖質ではなく体脂肪を優先してエネルギー源として使える身体(エアロビックベース)に作り変えていくことを提言しています。
また、有酸素運動でのスピードが上がると同時に競技パフォーマンスも向上することや、エアロビックベースに作り変えられた身体では、無酸素運動をした時に受けるダメージも最小限に抑えられることも科学的に証明しました。マフェトン理論は、エアロビック筋(速筋繊維)を鍛え活性化することによって、糖質ではなく脂肪をエネルギー源として運動できる身体づくりを目的としています。
だからこそ、ダイエットにも効果があると考えられているのです。
マフェトン理論の180公式とは
マフェトン理論で運動強度の設定には心拍数を使用しますが、まずは目標とする心拍数を「180公式」の4つの段階のどれかに当てはめて計算します。
②よく風邪をひく人やトレーニング効果が落ちている人⇒「180-年齢-5」
③あまり風邪を引かない人や継続して運動をしている人⇒「180-年齢」
④順調にトレーニングできている人⇒「180-年齢+5」
ほとんどの人は、運動初心者に当てはまり、32歳の人なら「180-32-10」で目標心拍数は「138」となります。
マフェトン理論によるトレーニング法
自分の目標とする心拍数が計算できたら、次は実践のトレーニング法です。マフェトン理論では、健康面を最重要視しているため、実際の運動の前後にウォーミングアップとクールダウンに15分ずつの時間をとることが大切です。
15分間のウォーミングアップではストレッチや軽い運動で構わないので、心拍数を測りながらゆっくり安静時の心拍数から徐々に運動時の心拍数まで上げていきます。
ランニングやジョギングなどの実際の運動時には、目標心拍数を上限として、そこから-10までの間で一定のペースを保つようにします。
実際運動は任意で大丈夫です。運動後のクールダウンも15分間。
運動時の心拍数から徐々に運動前の心拍数から+10までの間まで下げていきます。
ウォーミングアップとクールダウンだけでも十分に効果が得られるので、最初から無理をしないようにしましょう。
マフェトン理論による食事の摂り方
マフェトン理論では、三大栄養素である「炭水化物」「脂肪」「たんぱく質」の摂取量のバランスが大切だと言われていて、「炭水化物」「脂肪」「たんぱく質」の割合は、4::3:3が望ましいとされています。
また、同じ栄養素を摂る場合では、どんな食材から摂取すべきか、ということも重要なポイントです。同じ炭水化物の中でも、白米よりは玄米、食パンよりはライ麦パンなど、できるだけ精製されていないもののほうが良いようです。
脂肪についても、体内で分解してエネルギー源として燃焼しやすい不飽和脂肪酸を多く含むオリーブオイルなどの良質な植物油からの摂取を目指しましょう。たんぱく質も肉や乳製品などの動物性蛋白質よりも大豆や豆製品などの植物性蛋白質からの摂取が望ましいと提唱しています。
マフェトン理論の効果
マフェトン理論は、痩せることを目的とした理論ではありませんが、健康な身体をつくるだけでなく、体内の脂肪を効果的に燃焼させることから、ダイエット効果も大きいと言われています。
また、マフェトン理論で運動をすると、筋肉痛にならないことを実感する人も多いようです。
マフェトン理論では、エアロビック筋を鍛えることにより脂肪をエネルギー源として運動できる身体がつくられ、肉体的だけでなく精神的にも疲れにくい体質に改善されていくようです。